高校生映画監督・愛純百葉(あすみももは・17歳)
高校生の私は、映画をつくっています。九州の佐賀県在住です。
学校に通いながら、脚本を書いて、撮影・編集して、映画祭に出品する。
今は、3本目の作品を出品しているところです。
中学3年のとき、はじめて自分の映画を撮りました。
カメラの撮り方も、脚本の書き方も、見よう見まねの独学でした。
でも、「誰かの心を、ほんの少しでも揺らしたい」その気持ちだけは、最初からありました。
それから3年。
悩んで、試して、壊して、また撮って、私はいまここにいます。
まだ、「これが最高だった」と言える作品はありません。
でも、「映画でしかできない表現」を信じているし、たとえ時間がかかっても、それを探し続けたいと思っています。
こだわったカットがうまく撮れなかった日。
数か月かけて映画を作って、上映会をやってもお客さんが少なかったとき。
心が折れそうになったとき。
それでも「つくりたい」と思ってしまう。
それが、たぶん、私にとっての映画です。
私の映画には大きな予算も、商業的なバックアップもありません。
友人や家族に協力してもらって、最低限の機材と小さなチームでつくっています。
でも、小さいからこそ、嘘がつけません。
自分の中にある感情や違和感を、できるかぎり真正面から見つめるようにしています。
誰かの人生の、ほんの小さなかけらにでも触れられるなら、私はそれを映画にしたい。
それが、いまの私の「映画を撮る理由」です。
10代で映画を撮るということは、まだ誰にも見られていないような、自分の心の奥を覗き込むようなこと。
自信もないし、技術も足りない。
でも、自分にしか見えていないものが、きっとあると信じたい。
だから私は、つくり続けます。
今できることを、全部つめこんで。
いつか、「この作品で、誰かの心を動かせた」と思える日が来るまで。
まずは、自分自身とちゃんと向き合った映画を、一本でも多く、残したい。
それが、いまの私の願いです。
監督作品紹介
【私に見えている世界|A world I see】
監督デビュー作。写真を通して「他人の目に映る世界」を知ろうとする少女の、静かな成長の物語。行動と表情で心を描いた作品。
【リトルマザー|Little Mother】
「母の代わり」になろうとする姉と、それを重く感じる妹。3人の少女の視点から描いた「家族のようで家族になりきれていない」気持ちのズレと、心の再生物語。
【わたしのおじいちゃん|My Grandpa】
夢をあきらめかけた少女が、祖父の「若き日の夢」に触れて気づくこと。世代を超えて受け継がれる「夢のバトン」を描いた作品。
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